「皮」と「革」
「皮」と「革」何が違うのでしょう?
皮革製品の記述でも多々間違えている表記を目にします。
「この皮製品は・・・」など。
正しくは「この革製品は・・・」です。
訓読みすればどちらも「かわ」ですが、
「皮革(ひかく)」というように音読みでは異なり、
この「皮」と「革」は似て非なるモノなのです。
英語にすると分かりやすいですが、
「皮=Skin(スキン)」と「革=Leather」です。
「皮」は生き物の皮膚のことで、もちろん私たち人間の皮膚もこの「皮」になります。
一方の「革」はこうした生き物の皮を“鞣す(なめす)”ことによって、
鞄や靴、衣料などで使えるようにした素材のことです。
(「鞣し(なめし)」については、こちらをご覧ください。 >>>「なめし」とは?)
つまり、原料となるのが、生き物から剥いだ「皮」であり、そこから生まれる素材が「革」なのです。
動物の皮膚は、一番表側にある薄い表皮、
毛根がある乳頭層、その下の網状層、
さらにその下の肉・脂肪などの皮下組織で構成されています。
表皮や毛、皮下組織を取り除き、
乳頭層と網状層を合わせた「真皮」のコラーゲン層だけが
なめしの工程を経て革となります。
多くの場合、革の肌合いは、乳頭層にある繊維のきめ細かさによって決まります。