なめしの種類

なめしの種類

【タンニンなめし】

昔から行われている植物由来のタンニンを使ったなめしです。
大きく分けて縮合型と加水分解型という2つのタイプのタンニンがあり、
前者は南アフリカのミモザから抽出した「ワットル」、南米の「ケブラチョ」、
後者はヨーロッパの「チェスナット」などが代表的です。

これらのタンニンなめし剤を単独、もしくは混合して使います。
なめし剤の薄い槽から濃い槽に移しながら、ゆっくりとなめしを進めていくため なめし工程が非常に長くなります。

【クロームなめし】

近代製革産業の発達に伴い、
短時間で安定的に大量になめし工程が行えるよう発達した、
現在最も普及している金属なめしの一つです。

なめし剤に非常に低いphの塩基性硫酸クロムを使用するため、
事前にピックリングという 中和作業が必要となります。

クロムなめしは、キメの細かい銀面が得られ、
耐熱性、染色性、弾力性などに優れるため、
幅広い製品に利用されています。

また、他のなめし剤との相性も良いため、
様々ななめし剤と混合して使われることも多いです。

【混合なめし】

様々な革製品のために、なめし方法も数多く開発されています。

クロムなめしと同じ無機カチオン系には、
アルミなめし剤(塩基性アルミニウム塩)やジルコニウムなめし剤、チタンなめし剤があります。
また、ホルムアルデヒドや合成タンニンと呼ばれる合成樹脂や高度不飽和油を使った油なめしなどもあり、
これらはクロムなめしやタンニンなめしと組み合わせて使われます。    

 

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