革の部位とその特徴

革の部位の特徴

画像は牛革の1枚革(イメージ)です。
牛革を参考に革の部位を説明したいと思います。

一枚の革でもそれぞれの部位によって特徴がありますので、
鞄のどの箇所に、その革のどの部位が適しているかなどを判断して製作されます。

また、部位ともう一つ革を扱う面で注意が必要なのが、「繊維の流れている向き」です。
これを無視して製作すると、ある程度使用した後に、鞄に歪みが生じたりします。
繊維の流れというと分かりづらいですが、要は革には、伸びやすい方向と伸びにくい方向がある ということです。

そして、その繊維の流れは一定ではなく、部位ごとに違っています。
用途に合った部位を使いながら、革の繊維の流れを考慮して、裁断するパーツの向きを決めます。

背(BACK)

腹に比べて組織の密度が高く、強度もあります。
加工の段階で均一の厚みに削ってありますが、それでも、腹部分と比べると 重さがあって丈夫です。
伸びにくく、歪みにくいため、鞄では胴体や底、サイドといった部分に 使われることが多いです。

腹(BELLY)

柔らかく軽いため、加工をしやすい半面、伸びやすいです。
そのため、バッグの内張り、靴の中敷きに使われることが多いです。

腹の真下にあたる縁の部分はとりわけ柔らかいため、
強度も弱く伸びやすいため 製品に使用されることはほぼありません。

革製品の値段が少々お高いのも、こういったロス(使えない部分)が革には存在することも 少なからず影響があります。

脚(LEG)

この部分の革は厚みがあり、強度も高いために様々な加工に適しています。
繊維の密度は前脚と後ろ足で異なり、後ろ足の方が密度は高いので硬めです。
バッグの持ち手や財布などの小物の加工に使われることが多いです。  

 

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